酒井産業株式会社

塩尻は「木育」を行うべき、木の産地

酒井産業の「木育」は、40年ほど前、生協(COOP)のお祭りで、子どもたちが遊ぶための木の端材を提供したことから始まりました。現在では、「木のおもちゃ」を始め多数の木製商品を販売しております。

子どもが使う「木のおもちゃ」においては、ニーズのある商品を作ってきましたので、特に「木育」という意識はありませんでしたが、国産材でなければいけないという意識は当時からありました。「木育」を始めたというより、世の中の流れが「木育」へと動く中で、酒井産業がやってきたことが「木育」そのものであったということになります。

 

「木育」として意識したのは、国(林野庁)から、「国産おもちゃにおいては、酒井産業が生産の筆頭である」という状況を聞いたときです。

その頃、地元である長野県も塩尻市も「木育」についてはまだ動きがなく、塩尻市に「木育」の話をしたり、当社専務が、「木育」の第一人者である島根大学の山下先生と交流があったこともあり、塩尻市の「木育」への取り組みが始まり、その後の進行は早いものでした。

一方、国産材で木製品を作るためには、材料となる木の産地の強化が必須であり、産地を訪ね歩くこともしました。

「木の産地」として、元気な森を育てる間伐と間伐材の利用

木製品の材料となる木を育てるために森の間伐は大切です。(間伐とは、木の成長に伴って、込みすぎた林の立木を一部抜き伐りすることです:林野庁ホームページから引用)

間伐は県の事業として実施され、森を育ててきましたが、一方で間伐材の搬出は事業の対象でなく、切捨間伐となってしまい、間伐材は放置されていました。

県の取り組みとしては、平成20年から5年間の「長野県森林づくり県民税」が実施されており、その中で間伐等での森林づくりを行っています。間伐材が放置されている状態を県に伝えたところ、この取り組みを5年間延長し、間伐材の利活用が促進されることになりました。(平成25年以降の長野県森林づくり県民税(案)の基本目標のひとつ―あたりまえに木のある暮らしを創造するために間伐材の利活用を促進し、持続可能な森林づくりの仕組みを構築します―:長野県庁ホームページから引用)

今後、切り出された間伐材を商品化する機関が必要になるため、産地の業者としては、これに対応できる体制を組まなければいけません。民間所有林の間伐材は、公的な機関の土場(間伐材保管場所))で保管できないため、弊社に引き取り場所を確保しました。

間伐材は、昨年の塩嶺高原(塩尻市)に敷き詰めたウッドチップにも利用されています。この道路は、子供が森を体験できるように作ったものです。子ども達の体験活動としては、地場にある塩嶺高原やチロルの森(塩尻市)での体験もお勧めしています。

子どもたちを健やかに育む木製品

森の中での体験では、お互いが声を掛け合うことで、良い人間関係が生まれることから、現在のいじめ問題の解決につながるのではないかと感じています。

人間が木を好きなのは、何千万年前から森の中で生活して進歩発展してきたことが、体内に刻み込まれているからで、木に触ると癒されると感じます。しかしハイテクの現代では生活の中で木に触れて癒されることがないため、殺伐とした人間関係になってしまうのではないでしょうか。

ある幼稚園に木のおもちゃを設置したとき、数名の保護者に檜アレルギーを理由に設置を反対されました。しかし子どもにとって生涯木に触れる機会を逃してしまうことになるため、木に触れることの大切さを伝えました。結局、反対された保護者のお子さんも遊べるようになり、木との貴重な触れあいの機会を得ることができ、保護者の方からも感謝されました。

子どもにも大人にも森と仲良く、木と親しくなってほしいです。生活の中で木製品を利用して木のぬくもりを感じてください。自然のぬくもりを暮らしの中に取り入れてもらうことで、木製品を通じて市が活性化し、若い人達が戻る産地にするため、地域の子育て世代の皆様のアイデアを活かしたいと思っています。地域のお母さんにお願いです、我が子に使って欲しいと思う木製品を教えてください。

酒井産業が進めてきたこと

―森を育てること

子どもには木のおもちゃ、大人には木製のインテリア等を使ってもらうことで生活の中に木を感じ、森を思い出してもらう・・・これは大切なことです。その理由を「木育パンフレット」や「木育ノート」などを使って積極的に伝えると同時に、木製品の教材開発も行っています。

塩尻市は、漆器の三大産地のひとつである、木曽平沢という小さな集落全体が、木地師、塗り師、加飾職、産地問屋という珍しい産地形成をしています。また、木の産地でもある塩尻市に立地する企業としても、元気な森を育てるための間伐や、その間伐材を利用した木製品を使うことで地球環境にも配慮していきます。木を植えて育て、収穫し、上手に使うことで自然の木のぬくもりを生活に活かすことを広く伝えます。

元気な森は二酸化炭素(CO2)を削減できるため、国産材を使って二酸化炭素(CO2)を減らそうという活動にも積極的に参加し、動物が住めて、下草が生えるような良い森を目指します。元気な木が根を張り地滑りなどの災害を防ぐにためにも、森を育てることは地域にとって大切なことなのです。

―「木育~自然のぬくもりを暮らしの中へ~」を伝え続ける

親子で簡単に設置できる木かべも開発しました。信州大学の食堂にも大学の森林の木を使った木かべを施工し、その木かべには、地域企業の技術を使った大型プリント印刷(森林の絵)がされ、学生が食堂でゆっくり討論などして過ごす滞在時間が大変長くなったということで、食堂の売上アップという相乗的な効果もあったようです。

公共建築物木材利用促進法では、2,3階建ての公共建物において国産材を使うことが推奨されています。(公共建築物木材利用促進法―ねらい:木を使用することにより、森を育て、林業の活性化を図るため、木造率が低く、需要拡大が期待できる公共建築物をターゲットとして、まず「隗より始めよ」で国が率先して木材利用に努め、地方公共団体や企業等にも主体的に取り組んでもらうことにより、木材全体の需要拡大を目指します―林野庁「木づかい生活」パンフレットより引用)

林野庁のパンフレットにも掲載されていますが、保育園や高齢者施設等を木材で建築することや、施設内で木製品を使用することは、心身によい効果をもたらしています。(林野庁「木のくらし・木のちから」のパンフレットより)

「木育」では、「触れて感じる」、「作って楽しむ」、「知り、理解する」のスパイラルで、大人から子どもまで一緒に木について考えていってもらいたいと伝えています。

某幼稚園の木育プログラムでは、「木かべを一緒に貼る」、「間伐材での綱渡り」などを行いましたが、中でも最も人気があったのは、「木の玉のプール」でした。弊社自作の紙芝居も大きな反響がありました。(「触れて感じる」、「作って楽しむ」、「知り、理解する」を実施)

弊社では、他にも木にかかわるプロジェクトを数多くこなしています。地域産業を活かした幼児教育としての木育プロジェクト、木育フェスティバル、子ども霞ヶ関デー(農林省)、東京おもちゃ美術館2011、エコプロダクツ2011、ロハスデザイン大賞2012、トヨタユーグループ本社ビルの室内遊具、ドライブ王国in長野2011、歯医者さん待合室、温泉旅館、長野県庁/地方事務所のベビールーム、その他十数プロジェクトを行い、木育の大切さを伝えています。そして、今後も、“自然のぬくもりを暮らしの中へ”取り入れていただくよう伝え続けていきます。